食事メニュー

すじ肉のトマト煮込みと長い夜

じっくりことことのおいしさ

江國香織さんの小説が好きです。

小説全体の透明感も好きですが、江國さんの食べ物の描写が本当においしそう。

江國さんが描くバターは至福の食べ物のように思えるし、果物の瑞々しさは読むだけでこちらも潤ってくる。

江國さんの作品に出てくる料理の中で特に印象に残っているのは「号泣する準備はできていた」に出てくる「フィッシュスープ」。

主人公がパリで食べたというそのフィッシュスープは、濃くて熱いそのスープは海の底にいる動物そのものみたいな味がして骨にまでじんと染み渡るスープらしい。

それを食べるときっと強くなれるくらい。

どんなスープだろう。想像せずにはいられない。きっとトマトベースで白身魚にエビや貝がたくさん入っていて、そのおいしさがぎゅっと溶け込んでいる。にんにくやセロリがくたくたになるまで煮込まれて、寒さやつらさを忘れるくらい深い味わいなんだろうなと想像してしまう。

さて、今キッチンで牛すじ肉のトマト煮込みスープを作っています。

寒い日が続く毎日。新学期が始まって緊張が続く毎日。なんとか乗り越えてほしくて、大地の生命力の力を借りようと思い、ことこと煮込んでいます。

魚と牛では全然違うじゃないかとツッコミの嵐になりそうですが、私はこれを作る時江國さんのフィッシュスープを思い出します。

ル・クルーゼの鍋でことことことこと何時間もじっくり牛すじ肉を煮込む。にんにくも玉ねぎもにんじんも溶けそうになるくらい、ことこと煮込む。スープにお肉のおいしさも、野菜の恵みもすべて溶けこむくらい。

ローレルの葉を入れて、深みがでますようにと願いながら。バターを入れてほっぺがつやつや輝くことを想像しながら。牛乳とチーズを入れて子どもの笑った顔を祈りながら。

そう、こうやって作る過程がフィッシュスープに似ている気がするんです。

贅沢に素材を使って、時間をかけて煮込んだスープはきっと生命の味がする。身体の奥まで染み渡り、きっと食べた人の体を強くしてくれる。温めて前に進む力を与えてくれる。

何時間も煮込んだスープにはそんな力があると信じてます。

すじ肉のトマト煮込みのレシピ

①牛すじ肉をたっぷりのお水でことこと煮込む(できればル・クルーゼの鍋で蓋をして圧力をかけるととろけるくらい柔らかくなる)

②途中あくを取りながら、ひたすら煮込む

③ローレル、玉ねぎ、にんじん、にんにくを入れてさらに煮込む

④水分が半分以下になってきたら、ジャガイモ、トマトの水煮缶とコンソメ、マギーブイヨンを1個ずつ入れて、さらに煮込む。

⑤味見をして塩分が足りないようであれば、塩を足す。

⑥バター15gいれる。子どもがいる家庭なら、味に丸みをつけるため、牛乳、チーズをいれる。

⑦お皿に盛り付けバジルをさっとかけたら出来上がり。

おすすめル・クルーゼ

私のお気に入りのルクルーゼの鍋。柔らかく美味しい煮込み料理が簡単にできます。すじ肉の煮込み、トマト煮込みもポトフもカレーもシチューにも。

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